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外国人は終身雇用を求めていない。

  • 執筆者の写真: Ngoc
    Ngoc
  • 2019年6月7日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年9月30日

このところ「終身雇用」という言葉が話題になっている。


会社にとって終身雇用という制度を維持していくのに重い負荷になることがある。いわば、仕事の評価が低くて「使えない」社員でも、解雇できず給料を払い続けなければならない。ましてや、年々給料を上げなけれなならない。

終身雇用の良さは一言でいうと「安定性」のでしょう。解雇される心配がないから社員も安心して働くことができる。そして社員が一生辞めずにいる前提だから会社も安心して長期計画を立て、投資していくことができる。


ところが、その「安定性」が原因で日本企業がこの変化の激しい時代に乗り遅れていることに気づいたのでしょうか、終身雇用制度をやめるという意味の発言が大企業から次々と出ている。

まだしばらくはいろいろ議論されているのでしょうが、アメリカのように「誰もがいつでもクビになり得る」という社会にそのうちなるのではないでしょうか。


とは言え、実際になったとしても、解雇は個人にとっても企業にとってもコストがかかることなので、よほどのことがない限りは企業は解雇したくないし個人も辞めたいと思わないのでしょう。

ただその「リスク」が大きくなるのが間違いなく、企業も個人もそのリスクに備えるための体制を作る必要はあるのでしょう。


個人の場合、万が一クビされても困らない=またすぐ次の職を見つけられるためには、どこでも通用するスキルを身に付ける必要があります。一つの会社だけに閉じ込められず、もっと外の世界に目を向け、労働マーケットに通用する標準的な知識、スキルを取得すれば良いのでしょう。

会社の場合、「辞めます」と言われても困らない仕組み、つまり特定の個人に依存しない仕組みを作る必要があります。担当者が辞めてもすぐに次の人が引き継ぎを受け、作業を続けることを可能にするためには (1)仕事の標準化。労働マーケットの一般的な「職」に照り合わせ相当するスキルを持った人ならだれもが最低限のトレーニングと引き継ぎで担当できるようになる。

(2)ドキュメントを残す。極端的な話、担当者がいきなり翌日から出社しなくなっても、ドキュメントを見れば次の担当者が9割以上の作業を理解できる。


そして、終身雇用制度とは直接関係ないかもしれないが、労働マーケットがもっと流動的になっていく時代には、優秀な社員を引き留めるための取り組みが必要。「離職防止のためのリテンション施策」という言葉はまだそれほど日本の企業に浸透していないが、欧米では呆れるほど議論されてきたものだ。


ところで、外国人は「定着しない」「すぐ国に帰ってしまう」というイメージが強いかもしれないが、この調査によるとそうでもないようだ。

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新卒学生の就職後のキャリアプラン調査

この結果を見ると確かに国内の日本人学生より外国人留学生の方が転職指向が高い。しかし「一社で安定したい」と言っている日本人の割合が48%に対して同じことを言っている留学生が35%と、比較的悪い数値ではない。それより、明らかに転職指向が高いのは「日本人留学生」組だ。留学先の海外でたくさん事例を見てきたのでしょう。



おそらく今後は「終身雇用やめる」流れで日本の労働市場も活発になり、国内の日本人でも転職傾向が強くなるのでしょう。

いずれ、この「安定しない傾向」をマイナスに捉えず、企業もこれが自社の体制を強化するチャンスにすれば、人材の流動も企業の原動力になるはずだ。

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